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平成19年オープンキャンパス

    平成19年オープンキャンパスにおける研究室公開について

    粟井研究室 : 我々は創造主のしもべとなった

      人工媒質製作装置

      神は世界を創りたもうたと言われるが,我々は人間でありながらこれまで世界に存在しなかった物質を造ろうとしている.この新物質は電磁波工学的な手法を用いて人工的な分子を並べることによって等価的に構成したものであり,自然にはありえないような奇妙な性質を持つ.例えば電磁波の向きによって大きく反応が異なったり,莫大な電磁エネルギーを蓄積できたり,電磁波をあらぬ方向に曲げたりすることができる.このような物質はうまく使えば情報通信の容量・速度の向上に役立つほか,デバイスの小型・軽量化にも貢献でき,移動通信の利便性を現在よりさらに高めることができる.

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    植村研究室 : AIBOが作るアドホックネットワーク

      アイボ,AIBOはソニーの登録商標です

      本研究室では,基地局を使わずに,無線端末のみでネットワークを構築する「アドホックネットワーク」を研究しています.研究室公開ではAIBO(ソニーの四足歩行型ロボット)を,アドホックネットワーク経由でコンピュータから制御するデモをお見せします.AIBOがノートパソコンから無線が届かない場所へ移動しても,他のAIBOが通信を中継することで,制御を続けることが可能となります.

      災害現場など人が入れない場所で,各AIBOが自ら考え探索し,要救護者を見つけて人間に教えることができます.

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    川上研究室 : ロボットの視覚を計算機で実現しよう!!

      画像照合システム

      私たちが屋内外で自由に行動できる理由の一つは,球技スポーツで球を目で追跡したり映画・絵画・景色などを見て楽しむ時と同様に,大脳にある視覚が大活躍してくれることにあります.計算機で実現される頭脳にも人と同様の視覚を与えることにより,私たちの日常生活を自発的に支援してくれるロボット視覚の実現をめざしています!そのシステム構成例を下記の要素技術例と共に図に示します.すなわち,映像群は様々な情報が混じり合って入力されることが多いので,それらを重要情報毎に分離する技術を応用して,雑音が混入して歪んだ映像を正しく原画像と対応付ける画像照合などの要素技術を研究中です.




    海川研究室 : 太陽電池を作ろう

      太陽電池作製装置


      Cu(In,Ga)S2太陽電池

      石油の可採年数が40年になった今,新しいエネルギーの開発が急務になっています.電子工学分野からのエネルギー問題の取り組みとして,太陽電池が考えられます.各種太陽電池の中でも,Cu(In,Ga)S2(CIGS)太陽電池は耐久性に富み,安価であり,今後次世代の太陽電池としてもっとも期待されています.また厚さが紙の1/100以下という利点を生かして柔軟性のあるフィルム状の太陽電池の作製も可能です.公開日当日は当研究室で作製したCIGS太陽電池の他,太陽電池製造装置,測定データなどを公開いたします.また実際に簡単な太陽電池を作製するところをご覧いただきます.




    木村(昌)研究室 : ブログマイニング

      ブログネットワーク上の情報伝播


      ブログネットワークからのSEOコミュニティ(黄球)の抽出

      インターネットやウェブ(World Wide Web),ブログなどの発展により,大量情報が各種ネットワーク上を流通するようになってきました.膨大な情報が無秩序に氾濫する近年の情報化社会においては,真に必要とする情報を効率よく探すという作業が極めて困難になってきています.

      本研究室では,ブログ空間のようなネットワーク情報空間内で爆発的に増大している大量で多様な情報から,必要とする情報や有用な知識をどのようにしたら効率良く抽出することがきるのか,また,そのようなネットワーク情報空間の構造やダイナミックスはどのようなものか,などについて研究しています.

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    木村(睦)研究室 : 薄膜トランジスタの構造と動作

      木村睦研究室での研究開発風景

      薄膜トランジスタ(TFT)は,ノートPCや携帯の液晶ディスプレイ(LCD)に用いられています.最新研究では,大型のプラスティックシートにつくって,見るときはポスターのように壁に貼り,しまうときはクルクルと巻いておくようなテレビも考えられています.最先端技術を用いて積層すれば,原理的にはサイコロの大きさに10億個のTFTを集積することができますが,ペンティアム4の素子数(4200万個)を凌駕し,脳細胞の数(150億個)に近く,人工知能を構成することも可能かもしれません.当研究室では,日夜そんなTFTの研究開発を行っています.今回は,TFTやLCDの構造と動作を,実際に顕微鏡をのぞいたり,図を使ったりしながら説明します.

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    熊野研究室 : ビデオカメラが撮影技法を指南してくれるよ

      映像撮影指南カメラ・訓練システムの概観


      ビューファインダーから見えるシステム概観

      家庭にもずいぶん普及したビデオカメラ.最近では携帯端末でも映像を撮影できるようになり,携帯端末の映像のみで映画を作る試みも始まっています.しかし,映像の撮影法は意外にわからないもの.プロのカメラマンはどのようなことを考えながら撮影を行っているのでしょう?現在,ビデオカメラに,情報科学や通信技術と融合した撮影法や編集までの指南・助言を可能とする自動支援技術の導入を試みています.今回ご用意したシステムは,映画や放送の世界で培われてきた映像文法を背景とする撮影訓練を行って,初心者が陥りがちな撮影の問題点を指摘してくれます.訓練を体験して映像撮影法を学んでみませんか?




    宮下研究室 : 携帯電話のアンテナ設計にも使う電波暗室!

      電波に対して厳重な入り口の中は電波吸収体のくさびでぎっしり覆われた電波暗室

      目には見えませんが,私たちの周りには電波が所狭しと飛び交っています.その中で新しいアンテナの設計や性能評価をするには,これらの電波から避難しなければなりません.そのために電波暗室があります.壁だけでなく入り口も,この写真の通り電波の進入を厳重に防いでいます.この中で試作アンテナを用いて送受信実験を行います.勿論,その電波を外に出すこともしません.電波暗室の外に置いた機器により遠隔自動測定ができるようになっています.このような実験環境を駆使して,君も新しいアンテナを作って,新しい通信技術の開発に従事してみませんか?電子情報学科では,通信技術に関する学習と研究も豊富に行っています.

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    村田研究室 : アドホック無線ネットワークによる簡易画像伝送実験

      アイコム社のディジタル無線端末(ID-1)とカメラ


      アドホック無線ネットワークの実験局配置図

      文科省の私立大学ハイテクリサーチセンター(HRC)指定を受け,平成18年度から「アドホック無線ネットワークの要素技術と応用に関する研究」を開始しました.本研究室は「ディジタル変復調および通信プロトコルの研究」および「基地局を必要としない移動端末間のネットワーク構成技術の研究」の一部として,簡易型無線機による画像伝送システムを展示します.左の写真は,この実験に使用している市販のアマチュア無線機(ID-1)で,比較的廉価のため,手軽に入手出来ます.通常の通信システムが利用出来なくなった非常時には簡単にネットワーク構成が出来,災害状況などの画像伝送も簡単に行える通信システムとなります.

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