第2回 ファイルとディレクトリ

０．はじめに 　▼クリックで展開

前回に引続きUnixの基本的な利用方法を学習する． 今回は「ファイルの操作」および「ディレクトリ」の操作ということで， Unixのコマンドラインでの各種作業の基本となる操作である．

ファイルの操作，つまりファイルのコピー，移動，変名などだが，これはLinuxに限らず， Windows/MacOSでも基本となる操作である． ただし，Linuxターミナルでは，これまでGUIを使って行っていたこれらの処理を， すべてコマンドラインで行う．

コマンドラインで処理するメリットはいくつもある． 例えば，コマンドラインの処理を活用し，複数のファイルの大量のデータをあるルールに従って一括処理する，といったことが可能である．

次に，ディレクトリとはWin/Macでいう「フォルダ」のことで，これを作成，削除，変名することで， 大量のファイルを散らかすことなく整理することができる． ディレクトリ操作が理解できると，OSにおける「ファイルシステム」の概念の把握につながる．

教科書・関連文書をよく読み，実際に操作をして，自分が今なにをやっているのか を充分理解しながら学習を進めること．

※注意※
• 課題メールは，いまだに形式も内容も不十分な人がいる． メールを送信する前には，よくよくチェックすること．
• レポート内容をもう一度読み直す( 報告書として正しく伝わるかどうか？ )
• 送信アドレス，件名，署名を再確認

３．ファイル作成のテスト 　▼クリックで展開

ファイル作成の確認として，以下の６つの作業を行い， workfile1 から workfile6 というファイルを作りなさい．

ファイル作成方法は，catコマンドを使うこと． 教科書の例題・前回の学習内容などを参考にしよう．

※workfile1 からworkfile6 までのファイルは全部 ホームディレクトリに作ってよい．

( １ )自分のログイン名が入った workfile1 という名前のファイルを作りなさい．

( 例 )ログイン名が y200999 の人なら，cat workfile1 ▼ を実行すると次のように表示されれば正解( '$'はプロンプト記号，▼はEnter )．

$ cat workfile1 ▼
y200999 
$

( ２ )半角ローマ字表記の自分の名前が入ったファイル workfile2 を作りなさい．

( 例 )"龍谷太郎( Taro Ryukoku )"なら，以下のようになれば正解．

$ cat workfile2 ▼
Taro Ryukoku
$

( ３ )workfile1 と workfile2 を マージし( くっつけ )て， workfile3 というファイルを作りなさい．
※ただし，学籍番号が先にくるようにしなさい．

( 例 )次のようになれば正解．

$ cat workfile3 ▼
y200999
Taro Ryukoku
$

( ４ )今度は名前が先のファイル workfile4 を作りなさい．

( 例 )次のようになれば正解．

$ cat workfile4 ▼
Taro Ryukoku
y200999
$

( ５ )workfile4 のコピーを２つ作りなさい． コピーのファイル名は，workfile5 と temp にしなさい．

( ６ )今作った２つのファイルの内tempの名前を workfile6 に変更しなさい．

４．ディレクトリとファイルシステム 　▼クリックで展開

教科書 第 4 章「ディレクトリを作る」( p.47～p.64 )と 第 5 章「ファイルシステムを理解する」( p.67～p.81 )を読んで， 教科書中の例題を実際に入力し，順に確かめていきなさい．

特に「パス名」「カレントディレクトリ」「相対パス」「絶対パス」 などは重要なので，完全に理解できるようにしっかりと読むこと． ( 次の提出課題で確認テストをする． )

※注意※

実際に表示されるディレクトリは，教科書の例とは当然異なっているが， 適宜読み替えて操作すること( 特にp.73以降 )． 同様に，今後教科書に出てくるディレクトリの表示も実際とは異なることがある．

＜補足: cdコマンドのみの場合＞ 　▼クリックで展開

一通りの作業が済んだら，以下の点を確認しなさい．

• ( 1 )ホームディレクトリ以外のディレクトリに移動しておいて， "cd▼" と，引数なしで入力しなさい．

  $ cd▼

• ( 2 )そして pwd コマンドでカレントディレクトリを確認し， ls コマンドでファイルの一覧を表示しなさい．

●解説●

引数なしのcdコマンド，つまり移動先ディレクトリを指定せずに実行すると， ホームディレクトリに移動する． カレントディレクトリが分からなくなった時や， 深いディレクトリで作業していて一気にホームディレクトリに戻りたい時は 便利なので覚えておくとよい．

５．ディレクトリとファイルシステム( 教科書の補足 ) 　▼クリックで展開

教科書の第 4 章と第 5 章では，ディレクトリとファイルの操作について丁寧に説明してあるが， 一部不充分なところがある． 補足の文書で理解を深めよう．

つぎのPDFテキストを読み，実際に一通り実行しなさい．

【ディレクトリ操作の補足】( PDF )

６．実習用ディレクトリの作成 　▼クリックで展開

ディレクトリの作り方がわかったところで，早速，本実習で利用するためのディレクトリを作成する．

6-1. Report ディレクトリ

まず，自分のホームディレクトリの直下に Reportというディレクトリを作成しなさい．

ここで作成した Reportディレクトリは， 今後この実習で「レポートディレクトリ」と呼ぶことにする． レポート提出用のファイルはすべて，このディレクトリにファイルを置くことにする．

6-2. Work ディレクトリ

次に，同様にホームディレクトリの直下に Work というディレクトリを作成しなさい．

そして，先に作った workfile1 から workfile6 のファイルを Work ディレクトリに移動させなさい．

ここには各種の作業の途中で作成したファイルや，現在作業中のファイルを置いておくことにする．

※注意※

一般にホームディレクトリ直下には雑多なファイルを置かないようにしよう． ホームディレクトリには各種の設定ファイルが数多く置かれている． 万一それらのファイルを削除するようなことがあれば， コマンドが受け付けられない等のトラブルにつながる．

頻繁にホームディレクトリのファイルをいじれば， 設定ファイルを意図せず変更してしまうリスクが高くなる． 必要ならば適宜ディレクトリを作成・利用して整理整頓を心がけよう．

※WindowsやMacでも同じ．デスクトップやDocumentフォルダが散らかっているのはよくない． 適時，整頓しよう．

6-3. Backup ディレクトリ

同じくホームディレクトリの直下に Backup というディレクトリを作成しなさい( すでに存在するならば削除すること )．

Backupにはレポート提出ファイル，あるいは提出直前の作業中のファイルなど， 大切なファイルのコピーを置いておく．

※注意※
あるファイルが「大切」かどうかをどうやって判断するか． 実際には人それぞれである． ただし，共通して大切なものはある． それは，提出済みのデータ( 汗と涙の結晶( ? )・証拠 )， 提出直前の作業中のファイルだ． これらは，失うと非常にダメージが大きい．

作業中のファイルはマメに保存する． Workに作った作りかけのファイルも， マメにBackupにコピーすることを強くお勧めする．

［無関係とは言えなくもない美しい数式］：　\( v_c = E( 1-e^{-\frac{t}{\tau}} ),\; \tau=CR\ )　：RC回路直流過渡特性

2020-06-18 by Kobori Satoshi, Fujii Daisuke