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  • 宮下・張 研究室(マイクロ波伝搬・通信実験室)

    平成22年龍谷祭における研究室公開について

      アンテナと電波の世界を探検しよう

        目には見えませんが、私たちの周りには所(?)狭しと、電波が飛び交っています。その中から所望の電波を捕まえて情報を取り出すのが受信機(携帯端末もその一つ)です。その入り口がアンテナです。もともとは昆虫の触角から名付けられたアンテナと電波の世界を、電波暗室を舞台に探検してみましょう。

      1.世界の街角に見かけるアンテナ

        所変わればアンテナ変わる?芸術のArt と技術のArt を掛けてアンテナは芸術作品という表現もされます。身の回りでよく見るアンテナから、よく見ると風変わりなアンテナ、まさに芸術作品のようなアンテナまで楽しんでください。一例を示します。

        (左)グラナダの住宅にて (中央)オタワの市場にて (右)ミラノの市中で




      2.電波暗室と高周波計測器を覗いてみよう

        アンテナの特性や受信機の性能を調べるためには、外から電波が入らないだけでなく、使用している電波が外に漏れない「電波暗室(実験室)」が必要です。また、高周波信号を正確に測定する「ネットワークアナライザー」を用います。この機会に、これらの装置を用いたアンテナ特性の計測を見てください。

        電波暗室の電波吸収体(左)と高周波計測装置「ネットワークアナライザー」(右)




      3.電波伝搬環境の改善研究のための電波の可視化

        計算機の威力によって、見えない電波の姿を見ながら通信環境の改善を進めています。




      宮下研究室のwebページは こちら



宮下・張 研究室(HRCアンテナ製作評価実験室)

    アドホック無線通信のためのアンテナと電波伝搬

      情報通信システム研究センターにおけるHRC プロジェクト「アドホック無線ネットワークの要素技術と応用に関する研究」の一翼を担っている要素技術の開発研究です。公開は易しく見て頂ける内容になっています。

      図1 Volcano Smoke アンテナおよび放射特性



      これからの超広帯域通信として、UWBネットワークのように呼ばれて研究が盛んに行われています。そのUWB 通信に用いるアンテナの製作例と、その特性を幾つか見ていただけます。

      少し立体形でロボットに付けられても携帯端末には無理と思われますが、製作したUWB アンテナのなかでは最も電気的特性が良好な「火山煙型アンテナ」を図1 に示します。どの方向と通信が強くできるかを示す放射パターン(指向特性)から判るように、後(Radiation Patternの180°方向)から来る電波は苦手ですが、真横(± 90°方向)ぐらいは全然問題ない特性を持っています。

      携帯端末には棒状アンテナか平面アンテナが形状的に適していますが、図2 に示す平面アンテナは、放射パターンが非常に一様で、どの方向からの電波にも同じ特性で使えることがわかります。実は、電気特性は少し不満足ですが。平面形なので、化学的エッチング処理により製作が容易であるため魅力的で、実に多くのパッチ・アンテナが考案されています。

      建物の窓、壁、ドア、掲示物などによる電波伝搬の乱れは、高周波の広帯域室内通信の障害となりますが、特に電波の届かない死角を作らないようにしたい。これを解決する巧妙な方法を開発しています(図3)。

      図2 平面UWB アンテナおよび放射特性




      図3 左から右の部屋の隅に電波が伝搬する様子